現在取得済みの米国パイロット免許は Private Pilot ASEL VFR (Day&Night)。飛行機のパイロットになる場合、通常一番最初に取得する最も基礎的なライセンスです。
色々と規制が掛かっているので、出来るだけ解りやすく解読していくと;
・Private Pilot (飛行目的)
パイロットのライセンスは Student Pilot、Sport Pilot、Recreational Pilot、Private Pilot、Commercial Pilot、Transport Pilot の順番で難易度が高くなっていきます。CFI=インストラクターはレイティングを持ったCommercial Pilotに含まれます。余談ですが、軍隊ではパイロット・ライセンスを取得した時点でAviator Badge が与えられ、そこからは軍隊階級で上がっていくので、民間のパイロットとは少し仕組みが違います。
Private Pilot に出来る事、それは基本的に
ー 趣味で飛ぶ事
以上です。
金銭目的で人、及び物資を空輸する事は禁じられており、航空機のレンタル費、空港使用料、燃料費などは必ず少なくとも配当分は支払う事が義務づけ られています。つまり、例えば友達2人を連れて、自分を含めて3人で飛ぶ場合は、かならず少なくとも3分の1のコストはパイロットである僕が支払わないと 金銭目的での飛行と見なされ規則違反となります。唯一コストを全額免除される事が許されるのは非営利団体、法的機関、政治団体への支援としての飛行だけ。
・ASEL (航空機種)
Airplane Single Engine Landの略。つまり、固定翼機で、エンジンが1機しか搭載されていなくて、陸上発着型。更にここにエンジン出力が200馬力以下、重さが12500LB以下という条件も付きます。レイティングやエンドースを一切持っていないと想定して、ここに含まれない機体を挙げると
ーグライダー(Glider Rating が必要)
ー複数エンジンを搭載している機体 (Multi Engine Rating が必要)
ー200馬力以上のエンジン搭載機 (High Performance Endorsement が必要)
ー変動式プロペラ、収納可能な車輪、そしてフラップ、この3つを備えている機体 (Complex Endorsement が必要)
ージェット機(Type Rating が必要)
ー12500LB以上(Type Rating が必要)
ー特殊な機体・機種(Type Rating が必要)
ーコンベンショナル (Tail Dragger Endorsement が必要)
ー飛行艇 (SingleもしくはMulti Engine で Sea Plane Rating が必要)
ー回転翼機(ヘリコプター)
ー飛行船・気球
厳しい規制のようですが、上に挙げた条件を満たす機種は特殊なので、エンジンが1つ付いている固定翼機なら大抵は飛ばせます。また、訓練に使用した機種が上のどれかに当てはまる場合、取得したライセンスにレイティングもしくはエンドースが追加されます。
・VFR Day&Night (飛行条件/環境/気象)
Visual Flight Rules の略です。Visual つまり視認飛行。例外はありますが、基本的には視界が3マイル以上確保できる気象条件でしか飛べません。ただし、アメリカではこの条件が満たされれば夜間 での飛行も認められます。視界が悪い中を飛行するには IFR (Instrument Flight Rules =計器飛行)Rating が必要です。日本では天候の善し悪しに関係無く、夜間飛行には IFR レイティングが必要です。
VFRではもちろん雲の中は飛べません。雲からは基本的に500フィート距離を置く必要があり、雲の上を飛ぶ場合は常に地上が視認できる必要があります。
前もって必要な手続きさえ行っていれば、国境を越えて飛行する事は許可されます。ただし、高度は18000フィート以下でしか飛べません。またこの場合、FCC(米航空無線通信士)の免許が必要になります。FCCの有効期限は10年です。
特殊な条件下、もしくは目的で飛行するにも更にEndorsement が必要。たとえば、アクロバット飛行、編隊飛行、等がそれです。
またFL250=25000フィート以上の高度で飛行する場合には High Altitude Endorsement が必要です。
ランセンス自体は規則違反などで没収でもされない限り永久的に有効ですが、Current の状態(合法的に飛行出来る状態)を維持するには更に幾つか項目を満たす必要があります:
ー 乗客を乗せて飛ぶ場合(繰り返しになりますが営利目的では行なえません)、90日以内に3回、同型機で着陸を行なっている必要があり、夜間飛行の場合は3回共、夜間に行なう必要があります。
ー それに加え、2年に一度、インストラクターに同乗してもらい、再びチェック・ライドが必要です。これを Biannual Flight Review と言います。
ー 航空身体検査証も常に期限が切れていないか確認する必要があります。Private Pilot で必要な 3rd Class Medical なら有効期限は3年です。(極最近、航空法の改正により5年に変更されました)。
0 件のコメント:
コメントを投稿